Claude Codeを入れてみたものの、黒い画面が出てきたところで手が止まってしまった。この回は、そういう方に向けて、ターミナルで覚えることを5つに絞って説明したものです。Macの画面で説明していますが、考え方はWindowsでも同じです。
ターミナルで覚えることは、5つだけです
黒い画面が怖い理由は、だいたい3つに分かれます。何を打てばいいか分からない。壊さないか不安。動き出したものが止まらない。 この回では、その3つを全部つぶします。
見終わった時点でできるようになっているのは、次の5つです。
- ターミナルを開ける
- いま自分がどこにいるかが分かる
- 目的のフォルダまで移動できる
- その場所でClaude Codeを起動できる
- 固まっても自分で止められる
逆に言うと、この5つ以外の話はしません。 網羅よりも、今日そのまま再現できることを優先しています。
ターミナルは、Finderのもう1つの入口です
ターミナルは、Finderと同じものを文字で触るための、もう1つの入口です。
| 操作のしかた | 触っているもの | |
|---|---|---|
| Finderの入口 | マウスで、ダブルクリックして開く・ドラッグして動かす | 同じフォルダとファイル |
| ターミナルの入口 | キーボードで、打った文字で開く・見る・動かす | 同じフォルダとファイル |
普段Finderでフォルダを開き、中身を見て、ファイルを動かす。ターミナルでやることもそれと同じです。違うのはマウスの代わりに文字を打つ一点だけで、別の世界に行くわけではありません。 AIのツールがこちらを使うのは、マウスの手つきは真似できなくても、文字なら真似できるからです。
開き方は、Command キーと Space キーを同時に押して「ターミナル」と打ち、Enter。アプリケーションフォルダのユーティリティの中にも入っています。
ここで「Claudeのアプリを使えばいいのでは」と思った方もいると思います。そのとおりで、無理にターミナルを使う必要はありません。Claude Codeはアプリでもブラウザでも使えます。それでもこの話をするのは、理由が2つあるからです。1つは、世の中の解説記事や手順書が、ほとんどターミナル前提で書かれていること。もう1つは、ターミナルが、アプリの用意した画面よりパソコンそのものに近い場所だからです。素に近いところを触れるほど、できることは増えますし、何か起きたときに原因へたどり着くのも速くなります。
覚えるコマンドは、3つだけです
実際に打つコマンドは3つです。
pwd— いま自分がどこにいるかを表示する。スラッシュで区切られた文字列が返ってくる。これが現在地の住所ですls— そこに何が入っているかを表示する。Finderでフォルダを開いたときに見える中身が、そのまま文字で並びますcd— 移動する。cdのあとに半角スペースを1つ空けて、行きたいフォルダの名前を書きます
使い方は、この繰り返しだけです。pwd でいまホームフォルダにいることを確かめ、ls で中身を見て、Documents があったので cd Documents で移動し、もう一度 pwd で移動できたかを確かめる。目的のフォルダまでは、これでたどり着けます。
ひとつ上に戻りたいときは、cd のあとにピリオドを2つ。行きすぎたらこれで戻れます。
pwd
ls
cd Documents
cd ..Claude Codeは、起動した場所しか見ていません
ここが、この回でいちばん持ち帰ってほしいところです。Claude Codeは、起動した場所しか見ていません。
ターミナルで claude と打つと起動しますが、そのとき自分がどのフォルダにいたか。それがそのまま、AIが読み書きできる範囲になります。
動画では、まずホームフォルダにいる状態で claude と打っています。起動すると、これから見にいく場所が表示されます。この状態で「さっきの資料を直して」とお願いしても、AIから見えているのはこの階層だけなので、目的のファイルには届きません。
次に Ctrl+C を2回押して抜け、cd で目的のフォルダへ移動してから、もう一度 claude と打つ。今度は見にいく場所がそのフォルダに変わり、ここで初めて中のファイルを読んだり直したりできるようになります。
「AIが言うことを聞いてくれない」と思っていたことの何割かは、起動した場所が違っただけというケースです。claude と打つ前に必ず pwd で現在地を確かめる。これを習慣にするだけでかなり減ります。
裏返すと、AIに触ってほしくないフォルダでは起動しない、という使い方もできます。見せる範囲を自分で決められる、ということです。
止め方さえ知っていれば、怖くありません
怖いという気持ちの正体は、たいてい止め方を知らないことです。止めるのは Ctrl キーを押しながら C 。これだけです。
時間のかかる処理を動かしてから Ctrl+C を押すと、山形の記号と C という文字が出て処理が止まり、また打てる状態に戻ります。Claude Codeを終わらせたいときも同じキーですが、こちらは2回押します。1回目で「もう一度押すと終了します」という確認が出て、2回目で本当に終わります。
もう1つ、知っておくと落ち着けることがあります。画面が止まって見えるとき、その多くは処理が動いているのではなく、ただ入力を待っているだけです。 見分け方は簡単で、ユーザー名・パソコンの名前・フォルダ名が並んだ表示が出ていれば、それは入力待ちです。何も動いていないので、落ち着いて次のコマンドを打って大丈夫です。
打つ量を減らす、3つの操作
コマンドを覚えても、長い名前を毎回打つのは面倒です。打つ量を減らす操作を3つ挙げます。
1. Tabキー — フォルダ名を途中まで打って Tab を押すと、続きを勝手に埋めてくれます。候補が1つに決まらないときは候補が下に並ぶので、あと1〜2文字だけ打ち足せば、また埋まります。
2. ↑(上向きの矢印キー) — 押すと直前に打ったコマンドがそのまま戻ってきます。もう一度押すとその前のコマンドです。打ち間違えたときも、呼び戻して直すほうが早いです。
3. ドラッグアンドドロップ — これがいちばん効きます。Finderで開きたいフォルダを、ターミナルの画面にそのままドラッグアンドドロップすると、そのフォルダの場所を表す文字列がそのまま入力されます。cd と打って半角スペースを空けてからフォルダをドロップし、Enter。これで長い場所の名前を1文字も打たずに移動できます。
つまずきやすいところ3つ
1. フォルダ名にスペースが入っているとき
スペースは区切りとして扱われるので、そのまま打つと途中で切れてエラーになります。対処は2つ、スペースの直前にバックスラッシュを1つ足すか、名前の全体をダブルクォーテーションで囲むかです。囲むほうはWindowsでも使えます。先ほどのドラッグアンドドロップなら自動で入るので、悩まずに済みます。
2. 「そのコマンドは見つかりません」と英語で出るとき
原因はほぼ2つ、打ち間違いか、そのソフトがまだ入っていないかです。メッセージの最後に、自分が打った文字がそのまま出ているので、そこを見比べてください。
3. 打ち込む場所の頭の表示が、いつもと違うとき
これは、ひとつ前に打った内容のダブルクォーテーションが閉じられていないなど、打ちかけの状態が続いているサインです。この状態では何を打っても実行されません。Ctrl+C で抜けて打ち直してください。
今日できるようになったこと
冒頭の5つを振り返ります。
| できること | 方法 |
|---|---|
| ターミナルを開ける | Command + Space で「ターミナル」 |
| いまどこにいるか分かる | pwd |
| 目的のフォルダまで移動できる | ls で中身を見て cd で移動 |
| その場所でClaude Codeを起動できる | 移動してから claude |
| 固まっても自分で止められる | Ctrl+C(終了は2回) |
全部を覚える必要はありません。特に4つ目、起動した場所しか見ていないがいちばん大事なところでした。
怖くなくなれば、あとは慣れです
最初に言ったとおり、ターミナルを毎日使う必要はありません。アプリで済むならそれでいいと思います。ただ、読めると詰まらなくなる。打って、確かめて、違ったら戻る。この回でやったのは、その繰り返しだけでした。
「Claude Codeを使うなら知っておきたい」シリーズは、この先も続けていきます。