Claude Codeに、Googleドライブがつながっている。こうしておくと、Claudeが自分でドライブのファイルを探せるようになります。この回は、その裏で何が起きているのかを API と MCP の2つに分けて説明したものです。コマンドの暗記はしません。
Claude Codeに、Googleドライブがつながっている
Claude Codeに、Googleドライブがつながっています。こうしておくと、Claudeが自分でドライブのファイルを探せるようになります。
「Googleドライブのあのファイル、読める?」と頼むと、本当に読んでくる。この回では、その仕組みをAPIとMCPの2つに分けて説明していきます。Claude Codeを使うなら知っておきたい周辺知識シリーズの1本です。
先に全体像。2つの言葉を1行ずつ
本題に入る前に、全体像だけ先に置いておきます。
| 1行で言うと | どういうことか | |
|---|---|---|
| API | プログラム同士の窓口 | 人間向けの画面とは別に、プログラム専用の入口が用意されている |
| MCP | AIに道具を渡す共通の規格 | その入口をAIに渡すときの、つなぎ方を1つに揃えたもの |
どちらもプログラムを書く人の話に聞こえるかもしれませんが、この回では1行もコードを書きません。 最後にやることも、画面のスイッチを1つ入れるだけです。
それからもう1つ。コマンドが少し出てきますが、AIツールを使っているなら、打ち方は覚えなくて大丈夫です。見てほしいのは、それが何と何をつないでいるのかのほうです。
APIは、プログラム向けの入口
まずAPIからです。
私たちが普段見ているのは、人間向けに作られた画面です。でも、相手がプログラムのときは、その飾りが全部じゃまになります。そこで、同じサービスにもう1つ、プログラム専用の入口が用意されています。それがAPIです。
動きは4つです。
- 決まった住所(URL)に、決まった形でお願いを送る
- サービスがそれを受け取って処理する
- 決まった形で返す — 返ってくるのはデータだけで、見た目は付いてこない
- 受け取ったプログラムが、それを画面に出したり、計算に使ったりする
つまり、中身は同じで、出方が2つあるということです。片方が人間向けの画面、もう片方がプログラム向けのAPI。
同じ中身が、2つの出方をする
これを実際に並べて見てみます。
前回の動画で開いた、GitHubの公開リポジトリのページ。ここに説明文があって、使っている言語がTypeScriptだと表示されています。これが人間向けの画面です。
では、同じブラウザで、api.github.com で始まる別のアドレスを開いてみます。画面の飾りが全部なくなって、文字の固まりが出てきます。
{
"name": "example-repo",
"description": "さっきの画面で見た説明文が、そのまま入っている",
"language": "TypeScript"
}よく見ると、さっきの説明文が description という名前の右側にそのまま入っています。言語も language の右に TypeScript と書いてあります。同じ中身が、人間向けの見た目つきと、プログラム向けのデータだけ、2つの形で出ているわけです。
読みにくいと思ったら、それで合っています。これは人間が読むために作られていません。このアドレスはログインもアカウントも要らないので、同じことが今日そのまま試せます。
鍵の渡し方は、2種類ある
いまのGitHubの例は、誰が見てもいい情報だったので、鍵が要りませんでした。でも、自分のデータを触るAPIには、鍵が要ります。 渡し方は2種類あります。
渡し方① APIキーという長い文字列を、自分でコピーして貼る
前回、記録するものを選ぶときに「見せたくないファイルまで巻き込んでしまう」という話をしました。あのファイルの中身の代表格が、このAPIキーです。パスワードと同じで、人には見せません。
渡し方② サービスのログイン画面で、許可を出す
鍵の文字列は自分で触りません。「このアプリにドライブを読ませていいですか」と聞かれて「はい」と答えるだけです。この回でつなぐGoogleドライブは、こちらにあたります。
どちらの場合も、渡しているのは自分のアカウントを触る権利です。何を許可したのかは、あとで必ず確認します。
なぜ「もう1つの規格」が必要だったのか
ここからMCPの話です。
APIは、サービスごとに形がバラバラです。AIに使わせようとすると、サービスの数だけ繋ぎ込みを作ることになります。そこで出てきたのがMCPです。
公式の説明では、AIアプリと外のシステムをつなぐためのオープンな標準とされています。公式には「AIアプリにとってのUSB-Cのポートのようなもの」とも書かれています。USB-Cが機器のつなぎ方を1つに揃えたのと同じで、MCPはAIと外のつなぎ方を1つに揃えました。作ったのはAnthropicで、2024年11月にオープンソースとして公開されています。ほかのAIアプリや開発ツールも対応していて、Claude専用の仕組みではありません。
1つだけ、誤解しやすいところがあります。MCPは、APIの置き換えではありません。 この回でつなぐGoogleドライブのMCPサーバーは、Googleが自分のサーバーで動かしていて、その裏ではドライブのAPIが動いています。変わったのは、AIへの渡し方が1つに揃ったこと。それだけです。
MCPサーバーが渡してくる3つ
MCPサーバーというのは、AIに使わせるものを差し出すプログラムのことです。自分のパソコンの中で動くものもあれば、ネットの向こうで動いているものもあります。
そのサーバーが渡してくるものは、公式には3つに決まっています。
- 道具(tools) — AIが実行できる操作。ファイルを探す、中身を読む、といった動作がここに入る
- 資料(resources) — AIに読ませるためのデータ
- 定型文(prompts) — 決まった手順のひな形
この中でいちばん効くのは、1つ目の道具です。AIができること、そのものが増えるからです。実際、この回でつなぐGoogleドライブのサーバーが渡してくるのも、道具だけでした。
Googleドライブをつないで、読ませる
つなぎ方は簡単です。
claude.aiのコネクターズという画面で、Googleドライブの「コネクト」を押す(コマンドは打ちません)- Googleのログイン画面で、何を許可するかが表示されるので、それを見てから許可を出す
- ターミナルに戻って、つながっているものを一覧で確認する
- あとは「ドライブのこのフォルダを探して」と頼むだけ
- 外すときは、つないだのと同じ画面から外す
さきほどの「鍵の渡し方の2つ目」が、まさにこれです。ターミナルでの確認はこうします。
claude mcp listclaude.ai でつないだものが、そのままClaude Codeにも出てきます。アドレスを見てください。drive-mcp.googleapis.com ——googleapis.com ということは、これはGoogleが自分で動かしているサーバーだ、ということです。APIのところで話した「プログラム向けの入口」が、そのままMCPの形で出てきているわけです。
ここで、条件が2つあります。1つは、claude.ai のアカウントでログインしていること。APIキーでログインしていると、この一覧には出てきません。もう1つは、チームやエンタープライズのプランの場合、管理者が先に有効にしておく必要があることです。
この状態でClaudeに「ドライブのファイルを探して」と頼めば、Claudeが自分で探しに行きます。ただ、その画面は動画では出していません。私のドライブの中身が映ってしまうからです。ここはぜひ手元で試してみてください。自分のフォルダの名前を言えば、そこだけを探しにいきます。大事なのは、Claudeが自分で外のサービスを見に行けるようになった、というところです。
つないだあとに、3つだけ気をつけること
1. 誰が作ったサーバーかを確かめる
公式のドキュメントにも「接続する前に、そのサーバーを信頼できるか確認すること」と書かれています。外から取ってきた文章をAIに読ませるサーバーだと、その文章の中の指示にAIが引っぱられてしまうことがあるからです。
2. 入れっぱなしにしない
使っていないものは切ります。Claude Codeで /mcp と打つと出てくる画面から切れます。つなぐほど、AIが触れる範囲が広がります。
3. 何を許可したのかを見る
さっき「はい」と答えたのは、自分のアカウントを触る権利を渡した、ということです。読むだけを許可したのか、書き込みまで許可したのかは、つなぐときの画面に書いてあります。
覚えて帰るのは、つながり方のほう
まとめます。APIは、プログラム向けの入口。MCPは、その入口をAIに渡すための共通の規格です。 だからClaude Codeは、自分の外側にあるものを触ることができます。
打ち方は覚えなくて大丈夫です。MCPという文字が出てきたら、外の何かとつながっている。それだけ思い出せれば十分です。なお、サーバーを自分で作るところと、Google Cloudを使う開発者向けの正式な手順は、この回には入れていません。